共通のルールが、同じ土台をつくる。
ボードゲームには、年齢や立場、身体の状態を越えてみんなが従う「ルール」があります。
そのルールの上では、支援が必要かどうかは関係ありません。
勝ちたい、うまくやりたい、相手の一手に驚く——そんな気持ちは誰もが同じ。
「支援する」「支援される」という関係を超えて、対等に同じ卓上の世界を共有できるのです。

表出する方法さえあれば、同じことができる。
ボードゲームの魅力は、考え、選び、伝えること。
スイッチ、視線、声、LED、パソコン画面——どんな方法でも自分の意思を伝えられれば、
健常者と障害者はまったく同じ、「ひとりのプレイヤー」として遊ぶことができます。

一緒に工夫することで、創造が生まれる。
どんな角度ならカードが見やすいか、そのための土台はどんな形?どんな素材?
何があれば、もっとスムーズにプレイに集中できる?
一緒に考える時間そのものが、互いの理解を深め、
「どうすれば一緒に楽しめるか」という創造の喜びを共有させてくれます。
卓上に没頭する時間が、違いを忘れさせる。
ゲームが始まれば、誰もが盤面に夢中になります。
そこには、障害があるかどうかを意識する暇もありません。
ただ「今この一手をどうするか」に集中し、一緒に面白がり、一緒に悔しがる。
その没入感あふれるゲーム体験は、本当にひとつになる瞬間です。

福祉に興味はないけど、楽しいから来る。
ボードゲーム好きな人たちは、ボードゲームを遊ぶ場を探しています。
福祉に興味はないけど、ボードゲームには興味がある人もこの場にはやってきます。
障害者と健常者が交じり合う場でありながら、
この場は「支援の現場」ではなく、むしろ「一緒に遊ぶ仲間の集まり」として機能しています。

——ここから生まれるのは、共に遊ぶ文化。
私たちは、そうした瞬間の積み重ねが、“インクルーシブ”のあるべき形のひとつだと考えています。
この自然で温かい文化を広げていきたいのです。
